こんにちは、もけ(@moke__L)です!
今回は中野善壽氏の
「ぜんぶ、すてれば」をご紹介。
本書は実業家の中野氏が出した本。
しかし決して難しいビジネス書ではありません。
目次もない、語りかけるような文章で、中野氏の生き様や人となりを垣間見ることができる、そんな一冊です。
その生き方の根幹にあるのは、
「何も持たない」こと
家も車も、時計も持たない。
その明確な理由と信念。
何も持たないからこそ、
「今日を大切にできる」
究極のミニマリストともいえるが、
その言葉の枠に当てはまらないような。
隈研吾氏も慕う、そんな中野氏の魅力的な人間性を覗いてみませんか?
こんな人に読んでほしい!
・本書の購入を検討している
・ミニマリストの生き方を知りたい
・中野氏の生き様に触れてみたい
こんな本や人に影響されて、
女ですが私服を制服化してみました。
コチラもぜひ見て下さいね!
「ぜんぶ、すてれば」の概要
「ぜんぶ、すてれば」とは
本書は2020年4月20日に発売。
シンプルで印象的な表紙とタイトルに惹かれました。
・全206ページ構成
・文章構成にはゆとりがある
・優しく語るような文章
とても読みやすいです。
活字が苦手で読書慣れしていない人でも、1時間半程度あればサクッと読み終えることができます。
簡潔に概要を伝えるとしたら、
鈴屋・寺田倉庫元社長である中野氏の、幼少期~社会人に至るまでの周りとは違う破天荒さ。また国内外関係なく幅広い仕事を引き受ける仕事への取り組み方。
とにかく自由で奔放、誰にも縛られない「中野氏らしい」エピソードを交えながら、「何も持たない」生き方を語る。
そんな内容です。
私もモノを持たない生活を実践しています。共感はもちろん、「そこも持たないの!?」と驚いたり。
新鮮な気持ち…
考え方が面白い!
中野善壽氏、その人物像
実業家として名を知られる
「中野善壽氏」をご存じですか?
隈研吾氏が「日本の経営者のなかでも破格の存在」と称す、75歳の実業家です。
中野氏の経歴を簡潔に。
※それぞれの経緯や流れ、きっかけが本当に自由すぎて、字面以上に興味深いです。本書を読んでそれを感じてほしいので肩書の変化だけご紹介します。
伊勢丹、鈴屋で新規事業立ち上げと海外進出を成功。
その後台湾へ渡り大手財閥企業経営で活躍。
元寺田倉庫代表取締役兼社長兼CEO就任。大規模改革で老舗企業のピンチを救う。
東方文化支援財団代表理事
その手腕と人柄から、
多くの著名人から慕われています。
その一方で、メディアの取材をほとんど受けず、実像が見えない異端な存在でした。実績をひけらかすことや目立つことを好まない中野氏。本の出版の関して、数多くのオファーが来ても興味を示さずお断りしていました。
ではなぜこの本は引き受けたのでしょう。
理由は簡単で、
「ぜんぶ、捨てれば」
というタイトルが面白かったから。
ビジネス書ではなく、
一人の人間のあり方を伝える本を作りたい。
そういった思いで企画を持ってきた若手編集者の一文で、即決断して引き受けたんだそう。
そんな中野氏の人となりそのものを記した本書。
印象深かった内容と感想を一部ご紹介します。
「ぜんぶ、すてれば」の紹介
なぜ「持たない」のか
不確実で変化の激しい時代。
個人の力が試される時代。
人生100年時代への備えが必要な時代。
私たちの将来は不確実で、情報過多。
過去の事例ももはや頼れない
変化の時代の真っただ中です…。
そんな中で何をすべきでしょうか。どんな知識、スキルがあればいいのでしょうか。そんな悩みを持つ私たちへ1つの解をもらえます。
何も、必要ありません。
ぜんぶ、捨てればいいんですよ。
(中野善壽著:ぜんぶ、すてればより引用)
中野氏の生き方の根幹は
「何も持たない」こと。
家や車、時計。
お酒もたばこも持たない。
お金だって、若いころから生活に必要な分を除いてすべてを寄付という徹底ぶりに驚きです。
中野氏いわく、
何も持たないからこそ、過去に縛られず、未来に悩まず、今日を大切に生きることができる。
中野善壽著:「ぜんぶ、すてれば」より引用
今を最大限生きるために、中野氏はモノを持ちません。
具体的なその考え方を一部見てみましょう。
今日がすべてという考え方
情報量が多い。
他人のことも気になる。
将来も不安。
そんな時代では「今に集中する」のは
どんどん難しくなってきています。
でもあくまで将来を作るのは、「今日の自分」。
「今日の自分を妨げるものは全部すてて、颯爽と生きてみたい」そう興味が沸いたなら、ぜひ中野氏の考え方に触れてみてください。
準備万端な日は来るのか
「準備万端な日」は一生来ないと
思ったほうがいい。
「まだ早すぎる」
「もう少しちゃんと準備してから…」
それではいつまでたっても打席に立てないと、
中野氏は考えます。
それよりも大切なのは
「自分に嘘をついていないか」
嘘がなければ、思い切ればいい。
大丈夫。また打席はやって来る。
中野善壽著:「ぜんぶ、すてれば」より引用
世の中に安定はない
世の中に安定はない。
常に流れるのが自然の摂理。
私も含め、つい「安定志向」に落ち着きたくなります。変化が激しい世の中で、落ち着けるところを求めたくなる気持ちはわかります。
でも中野氏に言わせれば、
安定は存在しません。
永遠に存続する企業もなければ、
今日と明日も違う。
そんな世の中で必要なのは、
変化に対応する力です。
変化に対応する力の重要性は、現在幅広く活躍しているキングコング西野さんも著書で述べています。
さすが75歳敏腕経営者です。現役世代にも通ずる考え方を持ち、若者にそれを説いてくれることに驚きと尊敬を抱きます。
捨てる以前に、持たない精神
わかる。
そもそもモノへの執着がない。
慣れるまで
時間がかかった…。
初めて家に行ったとき、
洗濯機も冷蔵庫もレンジも
無くてちょっと引いたし…
中野氏のスタイルは「ものを持たない」こと。
そもそも捨てる以前の話です。
家は台湾に一応あるが、基本ホテルや賃貸暮らし。車もない。服も通りすがりで買っていつでも捨てられるくらい気軽に。食べ物はコンビニで新製品を買うのが楽しみであり、ごちそうは会食で満足。
かなり潔く、
身軽な印象です。
さすがに不便しないのか疑問も抱きますが、その疑問は中野氏自身が取り払ってくれます。彼は自分の行動や考えにしっかりとした理由を述べてくれる。曲げない信念がある。だから興味が沸くんでしょうか。
持たなければ、生活がモノで埋め尽くされないし、土地や家を売買するうえでの煩雑な手続きもしなくていい。何よりも災害での心配が1つ減る。
中野善壽著:「ぜんぶ、すてれば」より引用
「所有」は安定を生むのか
家を建てて所有する。
私のまわりも、ライフステージの中での必須行事のごとく、結婚や子供を機にどんどん家を買っています。
でも私はレズビアンだし、子供も持てない。それに相方と身軽に生きたいと考えているため、生涯賃貸を貫こうと考えています。そんな考えに味方してくれる人も中々いません。
中野氏は「若者の目標である家の所有」について、というより、モノの所有そのものについて「むしろ不安が増えるだけ」と述べています。
よく、「持ち家派」VS「賃貸派」の話題が
上がりますが、皆さんはどちら派ですか?
私が相方とよく話し合う中で、持ち家は
「ここにいつでも戻ってこれる」
という安心感がある
「ここにいつまでも縛られる」
という逆の考え方もできる
災害時の不安、ご近所トラブルの不安、
「ここからもう動けないのでは」という不安。
そういったものを背負いたくない。そんな自分たちに共感してくれることが書いてあり、なんだかほっとしました。
あ、個人的には「同性カップル」でも安定して子供が持てるなら、家は憧れますけどね。(笑)
中野氏としては、
「いつでも移れる。」
「どこでもすぐ新しい生活を始められる」
そんな軽やかさで、人生の選択肢をより広げたいという考えです。
私自身相方と出会ったから、
最近変わってきた価値観ですが同意します。
地元も愛して、時に新天地へ行くことも枷にならず軽やかに行動できたらな、と思います。
思い出も捨てる
捨てるというより、
こだわりすぎるなという教えです。
美しい思い出ほど、それにしがみつきたくなるのが人間ですよね。
私も作業療法士としてあまり勉強意欲がわかない時期に入ると「学会に2度も発表したんだ、もういいでしょう」と自分の過去を言い訳にしてしまうときがありました。ギクリ。
でも、
過去を守ろうとする=前例ができる
前例ができると、前例と似たことをしたくなります。そして前例がないと一歩踏み出す行動に移れなくなってしまうと、いよいよ縛られてしまいます。
前例は未来を縛るもの。激動する現代において、前例は役に立たない。
中野善壽著:「ぜんぶ、すてれば」より引用
そんな思いがあるからこそ、
中野氏は思い出も捨てるんですね。
ちなみに私も過去の自分を別人だと思っています。「昔こうだったよね~!」って何回も言わないでください…何回目かで多分落ち込みます…。(笑)
過去はもう供養。
切り離して、日々成長あるのみです。
人付き合いも捨てる
飲み会を捨てる。
人付き合いを捨てる。
え!?それも…!?
そう思うような見出しですが…
75歳にもなる中野さんの説得力たるや。
ちゃんとその理由を添えてくれますから、
安心して本を手に取ってみてほしいです。
長生きするとどんどん背負うものが増えて、重荷が増えます。モノも、人間関係も。付き合いを続けるなら「未来を明るく語れる仲間」がいいです。
数自体は重要ではない、そういう話がありました。
これは私の持論でもありますが、付き合いは長ければいいものではないと思っています。
旧友はもちろん大事です。
何かあれば報告して、お互いの近況を語り合うのも、思い出を懐かしむことも楽しいです。
でも、SNSや外の場で新たな交友関係を作るのが昔から好きです。
新しくて出会ったばかりでも、新鮮な情報や、新たな価値観を吸収するのが楽しいからです。
自分には到底理解しえない不思議な人、何かに打ち込んでいる人、辛い経験をしている人、自分じゃない誰かと関わるのが好きでした。そのため、中野氏の言いたいことはよく分かります。
人間関係は頑張って
広げなくていい。
飲み会で仕事以外の時間を無理に使ってでも広げる必要は必ずしもないと、自分も思います。数が多ければいいことはないのですから。
あれもこれも、思い切って捨ててみる
本は捨てる。
執着も捨てる。
服も捨てる。
過去の残像も捨てる。
スマホを捨てる。
これ以外にもとにかく捨てる中野氏。
それぞれ、どんな背景でそれを捨てるのか。
それで何が得られ、
何を価値とするのか。
本をめくって確かめてみてくださいね!
「ぜんぶ、すてれば」の感想
いかがでしたか?
中野氏の人となりや生き方を通して、
ものを持たないで生きる。
ものに限らずあらゆることに縛られずに生きるという、究極のミニマリスト的な価値観が新鮮でした。
自分を取り巻くモノ、考え方。
大事なモノや人間関係、過去。
それらあらゆるモノは、たとえ手放したとしても、人は案外生きていけるんだ。
そんな感想がまず浮かびました。
生きていけば、沢山積み重ねます。
その過程で様々なものや価値観、
考え方や概念も身に付いてきます。
それは誇らしい経歴や、大事な恋人、友人、家族関係、はたまた捨てられない思い出のモノなど様々。
時には重い荷物を下ろして、身軽になることで、また違った景色が見えるのかもしれないなあ。そう思わせてくれました。
・モノを持つから悩むのかもしれない
・ものや過去に縛られてかえって窮屈な思いもするかもしれない
・年齢や変化によって、その時に必要なモノも変わってくるかもしれない
モノの価値を見直している自分としては、そんな内容に深く共感を覚えました。
決しておごることなく、揺らぐことなく、「持たない」生き方を貫く中野氏の信念。「今日を大事にしたい」と明快ながら中々気づけない理由や視点も、斬新で面白かったです。
数多くの著名人に慕われる中野氏の人となりが、ヒシヒシと伝わってきます。
読み終えると何だか少し気分が軽くなる、そんな不思議な1冊でした。
情報にあふれて忙しい世の中、
気楽に軽くなりたい、そんな方にはおススメしたい本です。
家も車も持たず。
お金も寄付。
その生き様と
潔さに感服です。
最後に。
本の最後には、著者印税は東方地域で支援を必要とする子供たちへ全額寄付されるとの一文が。
中野氏の生きざま、思いに触れた後にそれを見ると「ああ、この人なら間違いなくそうするんだろう」と深く納得させられます。
購入して読むだけで、自分も寄付することになる本。中々巡り合えない不思議な本でした。中野氏の生き方、かっこいいです。
この本を無料で読むなら…
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ありがとうございました!
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